低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

初心にもどる

今月はネーム作業が非常に手間取ってしまい大変でした……。

f:id:low-k:20181215220929p:plain

原因の一つを突き止めましたのでここにメモしておこうと思います。

 

わたしは自分の絵や話作りについてたびたび悩んでいて、「どうしてこんなダサいものしか作れないんだ」、「このままじゃダメだ!」という想いが強く、困惑していました。

 

今月はとくに、絵や漫画作りを通して「自分がこんなふうに見られるのが悔しい!」、「自分だってもっとカッコいい漫画を描けるかもしれないのに!」といった感情が邪魔していたように思います。

しかし、大事なのは「わたしが読者さんにどう見られるか」ではありませんでした。

 

読者さんが作品に集中できる状況を作り上げることです。

 

 

本当に面白いものを描けている実感を掴んでいる瞬間があります。それはまさに無私の状態で、作品世界の面白さだけに意識がフォーカスされています。

「この状況面白いですよね!」「この顔、笑えますよね!」「この動き可愛いですよね!」といった感じで漫画の中で起きていることだけに意識がフォーカスしているのです。

 

でも今回はそれがいつのまにか出来なくなっていました。

 

面白い漫画や心惹かれる素敵なものに出会うたび、自分の作っているものと比べてしまい、残念で悔しくて「自分ももっとすごいものを作らなきゃ!」という気持ちになっていました。

だけど、いま手掛けている作品を最後まで「らしさ」を失わずに完成させることがわたしのやるべきことだと気づきました。(気づいたのはネームを完成させてOKが出たあとでした笑)

 

またしばらくしたら、他人と自分を比べて悩むかもしれません。そのときにまたこの記事に戻って考え直せるように。