低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

「孤独」について

「孤独」とは、完全同化できない寂しさみたいな感覚のことだと、今のところ考えている。

友達がいないだとか、家族がいないだとか、理解者がいないだとか、そういう状態/状況のことをいうのではなくて。

可能な限り自分と同じ成分で作られた肉体を持ち、環境で育ち、思想を分かち合い、
互いの行動パターンを読めてしまっているとしても、やはり自分は「孤独」だという感じ。

むしろ可能な限り同じになればなるほど、他者と自分は同じにはなれないと自覚せざるを得ないはずだ。
クローンはやっぱり「わたし」ではないんだよ!っていう・・・。


こんな風に何者とも完全同化できない「わたし」という存在について考えたとき、
よく「攻殻機動隊」が頭を過ぎる。
攻殻は、「個人」が何かと同化する可能性があることを示唆してくれるような気がしてならないんだよねー。

それから、「私たちはそのとき、確かに一つになっていた!!」みたいなモノローグがあると、
「そんなのは勘違いだよ。」と切り捨てたくもなったりする。

だって、本当の本当に、自分以外の何者かと一つになるなんて信じられないんだもの。

そう、信じはしない。けれど、可能性は疑わない。