低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

今日思ったこと

今日読んだ本の中にあった、なんだか嬉しい気持ちになれた文章を引用させていただきます。

私学はどこも少人数の私塾から始まった。聴きに来る人がいようがいまいが、塾の看板を掲げて、「俺には教えたいことがある。有為の若者よ、俺の話を聴きに来い」と無人の荒野で洗礼者ヨハネのように呼ばわった人がいた。(内田樹中沢新一「日本の文脈」P.247 L.4〜)

この文章がどんな文脈の中で出てくるかというと、
大学は(教育は)、経営再建のために学外コンサルタントのアドバイスに従い、「十人のうち十人から選ばれる」ような教育理念やプログラムで学生を集めようとするな。創立当初の固有の建学理念を全面に押し出していけばいいじゃん!!という感じの話のなかです。

わたしは漫画を描いていますし、それは教育ではなく、娯楽系のビジネスなんだろーとは思います。
でもなんとなく、「俺の話を聴きに来い!と無人の荒野で洗礼者ヨハネのように呼ばわる」その態度、
これが今の自分に合っているような気がしたりもするのです。。。

娯楽はビジネスパーソンが消費者に与えるてやるものではなく、
「個」人がカオスなところから自ら選び、掬い取っていくもの、創りだしていくものであってほしい。

わたし自身も、マジョリティな快楽を自分自身の快楽として錯覚して受け取っているところがあると思うし・・・
(いわゆる、みんなが熱狂しているように見えるからきっといいものに違いない…の感じ)
それも楽しいんだけど、
それだけになってしまうことはないじゃないか。

日本の文脈

日本の文脈