亀速度ですが、着々と「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」をそっくり打ち起こしております。
本一冊を描きあげるってじつにたいへんな作業なのだと思い知ることもできています。。
ただ写しているだけなのに、全然ページが進まない。
まだ一章が終了した程度の進捗ですが、
一章ぶんだけでもわたしなりに収穫がありました。
引き続き、その発見がどのように変化するのか確認しながら
進めていきたいと思います。
現在、気づいたことをメモしておこうと思います。
1、難しい漢字を使用していない。
わたしには意外だったのですが、文中では難しい漢字が目立ちません。
簡単な漢字でも平仮名表記されていることが多いです。
10文字くらい平仮名が続くなんてざらです。
「一週間しかかからなかった。」のように「か」が3連続する文章に出あったとき、
「こんな文章ありなんだなあ」と元気が出たのでした。
2、同じ単語を繰り返す。
とにかく一つの段落のなかで同じ単語を繰りかえし使用していました。
「それ」や「そんな」といった指示語ではなく、
具体的な単語を文中にだしてきます。
例えば、このようなかんじで。↓
エレベーターはきわめて緩慢な速度で上昇をつづけていた。おそらくエレベーターは上昇していたのだろうと私は思う。(「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」上巻 新潮文庫 P11 L1〜)
このように具体的な単語を同じ段落の中に繰りかえすというのは、
書き手、語り手が考えている以上に
読み手、聞き手は大切な単語や状況を記憶してはくれていないことを前提にしているように感じました。
まさにわたしに足りない部分です。
この文章を書き写し続けることが、
わたしの端折り癖を改善するヒントになりそうなヨカンです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1988/10
- メディア: 文庫
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