低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

主人公にはちょっとワルいところがほしい

「やっぱりみんな不良がすきなんだよ」
「完全な不良だと本当に使えないけど、ちょっとカッコつけてるくらいのワルが好きなんだよ、みんな」

何気ない母の言葉。
あー…わたしにないものだわーないわー(´ω`;)と改めて思う。
マジメより不良。

「美味しくてみんなが好きになるものはたいてい体に悪いよねー」と話していたながれで、
「みんなが寄っていくものはちょっと悪いもの」という話に。
ジャンクフードとかお菓子とか揚げ物とか・・・。
カロリーオフを謳っている料理はやっぱり何かものたりないし。。。
飼っている猫も、健康に配慮されたちょっと高価な餌よりも、
「モンプチ」とか「懐石」の方が好きなようで食いつきが全然違う。

ワルが描けなくては・・・
ワルの魅力をもっと知りにいかなければ・・・(と、また焦る;)
わたしの漫画はいつもワルがいない/(^o^)\


昭和元禄落語心中」読んでいると、
どうしても八雲師匠が裏主人公に見えてしかたない。
本当は八雲師匠が主人公の話を描きたかったけど、
それだと地味になっちゃうから与太郎みたいな破天荒なキャラを主人公にして
八雲師匠の素ん晴らしさを浮き彫りにしてみせる方法で描いてるんじゃないか〜みたいな(あくまでわたしの勝手な想像ですけど)
二巻で若き八雲師匠が、真面目すぎの勉強しすぎで自分の落語が見いだせてないというエピソードとか
たまらなく好きです。
けれど華があるのは助六みたいなちょっといい加減で調子のいい天才肌。

自分の作品つくりについて、
脇役になってはじめて魅力を発揮するキャラを
無理に主人公にしようとしていたのかなーと思うようになりました。
主人公に不可欠な何か。ちょっとワルい魅力的なもの。
それってなんだろう?

ワルに憧れる心、わたしにもあるはずなんだ。きっと。

昭和元禄落語心中(1) (KCx)

昭和元禄落語心中(1) (KCx)