低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

何を言っているのかわからんと先生は言った。

中高生の頃、我々の面白がって口にしている言葉に対して
先生が「君らが何を言っているのかわからん。」と呆れ顔で答える場面を何度も体験しました。
先生は何を楽しがっているのか本当はわかっているのに
取り合うのが面倒くさいのでわざと知らないふりをしているのだと思っていました。


それからXX年。
わたしはその先生たちの「何を言っているのかわからん。」の意味が突然わかりました。
風呂のタイルの目地を掃除しているときにわかってしまいました。

先生たちにとっては生徒たちの言葉がただの音にしか聞こえなかったのです。
生徒「○※Ω△♨↑□!!!キャハハハ!!!」というように。
まるで外国語がうまく聞き取れないように。

生徒たちの狭い世界の中で誰もが知っているはずのことが
先生たちにはあまりにも瑣末なことであったがためにそれを知らなかったりすると
言葉のイメージに対して共通の土台がないことになるため話は伝わりにくくなります。

言葉は意味を消失したまま、ただの音になってコミュニケーションが取れなくなるのです。
生徒は常識(であるはずのこと)を知らない先生を馬鹿にしたり「理解のない大人」として扱ったりします。

しかし、何もわかっていないのは生徒の方であり、
自分が如何に狭い世界しかみえてないことに気がついてないだけなのです。

そうは言っても、そのような狭い世界で全能感を持っている時間というのは実は大切なのかもしれません。
何もわかっていなかった自分を知るために、
必要な時期なのかもしれません…。


ところで「らっすん☆※∇〜‖□×」ってなんでしょうか。
たぶんお笑いか何かだと思います。
知らないものを指す言葉は本当に聞き取れないものですね。
やれやれ。