以前ピアノの練習をしていたとき、この曲も挑戦していました。
今あらためてプロの演奏を聴くと、わたしが楽譜を通じて音楽を「読めていなかった」こと、音楽としてのピアノを弾こうという意識がなかったように思えます。
わたしは楽譜に記されている鍵盤を順番に叩いて音を出すことに精一杯で、音楽という音の連続が織りなすメッセージを表現しようという意識がまるでありませんでした。
フレーズが途切れ途切れで、一つのフレーズが次のフレーズにつながっていることを何も理解していませんでした。
だからいつになっても音楽に聞こえませんでした。
ピアノの先生は歌うように弾くんだよと何度も何度も伝えようとしてくれていました。
当時のわたしはその前に先生の言う「歌う」がわかっていなかったのですね。
音楽とは何かを体感的に理解するセンスがなかったのかもしれません。
でも、20年ほど経って少し意味がわかったので先生の苦労も少し報われたと考えてよいのではないでしょうか。(今頃ですみません。そしてありがとうございます(T_T))
そのような邂逅を通じて、漫画を描くときもぶつ切りのエピソードのつなぎ合わせではなく、連続して延々と流れていく水のように漫画を描くことができたら……と思いました。