低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

ペン入れ中に思ったこと

コロナが収束するころには社会のあり方がガラッと変わってしまうだろう……。

わたしの思い出の中にある風景が「大昔の価値観」になりつつあるんだというか。

 

そうすると漫画の日常描写とか一気に古臭いものに見えてしまうのかもしれない。

 

例えば、学校の授業風景とか授業のシステム、友達同士のやりとり、コミュニケーションのとりかた、取捨選択するときの基準etc.

 

長く読まれる漫画を作りたいと思っていたけど、今それがリセットされてしまったような感じがする。

 

自分がいま描いている原稿ではシオちゃんが元気にバイトをしているけど、現実は客も店員もマスクをしていてお店はテイクアウトに替わっていたり休業しちゃったり、レジ前に飛沫防止のシールドが張られていたりと景色もそこで生きてる感覚も全然違うわけで……。

 

この生活が続けば一年もしないうちに今の状況に人々が適応し始めて、これまでやってきたことが懐かしいものになるのだろう。

「あったね~そんなこと~」とか言って。

 

漫画の中の世界が現実と少しずつ離れていくのを感じながら描いている。