低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

何のために描いているのかを見失うな

長い期間、ネームが描けなくて漫画作りについて悩んでいました。今日もろくに描けていないわけですが……。

曲りなりにも自分の問題について気がついたことがあります。

 

いつの間にかクリエイター視点で作品を見るようになっていたことです。

作品をクリエイター視点で評価されたいと思っていることが自分の創作に対する感覚を狂わせているのでは?そう思いました。

 

何のためのテクニックなのか、

何のための画力なのか、

何のためのストーリーテリングなのか。

 

これらを見失っていたように思うのです。漫画を描けば描くほど、漫画の文法が身に付いていくのを感じていました。漫画の描き方が自分の血肉になっていくのを感じていました。

 

できることが増えるとそれを使いたくなります。もっと効果的に面白く読ませることができるのでは?もっとカッコよくキャラを魅せることができるのでは?もっともっと完璧なストーリーテリングがわたしにもできるのでは……?

 

そうしているうちに自分の漫画で達成すべきミッションが見えなくなってしまった気がするのです。

 

 

ミッションは何?

 

一体、「何」のために漫画を描いているのか……?

 

 

毎話毎話に込めたメッセージを確実に届けることのほうが、完璧なテクニックやストーリーテリングよりずっと大事なのではないか?

 

次の話を最後まで楽しく読んでもらうことに集中するのが賢明では?

 

 

今、読まれている回が読者さんとの最後の出会いかもしれないのに、最終話まで見届けてもらおうなんて考えがおこがましいのでは???

 

 

以上。明日の自分に期待!