低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

創作の姿勢/2012秋現在

センシティブ系っていうのでしょうか?
気持ちを丁寧に描くようなしっとりしたお話とか…

物語に深みを出すポイントは、
読み手の心にチクリと刺すような痛みを与える
エピソードとかモノローグなんじゃないかと思うのですが……

憎悪とか嫉妬とか恨み、復讐の類を物語に絡ませることは
したくないんですよねーーーっっっっ!!!!!ヽ(`Д´)ノキーッ


人の本性はこんな醜いんですよとか
感情に振り回されて他人や自分を傷つけるとか
簡単に描きたくないです。
読み切り程度で描いちゃ駄目だと思っています。
(あくまで、わたしが描く作品に対してです。)


描かない理由は、人の心に豊かさをもたらすことはないだろうと考えているからです。

ハッピーエンドだろうが、コメディーだろうが、
主人公が何かを成し遂げる/ハッピーになる過程の装置として
ドロドロした人間の負の面を利用し過ぎてはいけないような気がするのです。

たいてい、そういう人間の嫌な部分のシーンはカッコ良く描かれているんです。
醜くて汚くて最悪な場面のはずなのに、そう描かれているはずなのに、
なんとなくカッコ良さがそこにはあるんです。

わたしはそれが少し心配な気がするのです。
読み手に、「人間が人を恨んだり傷つけたりするのは仕方ないことなんだ」と
無意識に刷り込んでいるようなそんな気がするのです。
物語の発している外面的メッセージが、
「何があっても人を傷つけていい理由にはならない」だとしても。


こんなこと言っていると甘っちょろいとか思われるかもしれないけれど、
わたしくらいは、
人の後ろ暗い部分を利用することなしに
おもしろい作品を創れないか頑張ってもいいんじゃないかと思うのです。

今のところはそう考えているのです。。。