低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

答えの出せない質問

新聞に「桃太郎はなぜ桃から桃から生まれたのか?」という本の広告が載っていた。

「聞かれると答えられない「童話」や「昔話」」というアオリがついていて、
ちょっと考えてしまったのでここにメモしておこうと思う。
※本の内容や著者の考えなどとは一切無関係です。書評や批評ではありません。以下、嘉村の妄想です。

■聞かれて答えられない質問こそ良い質問

質問されてすぐに答えを出せるような問いというのは
たいていの場合、あまり重要な問いでない。
「今日の夕飯なんじゃ?」「カレーじゃ」くらいの重要度。

どう考えても一生答えの決められない質問というのは
思考の余地が無限ということなので
ある意味、良質の質問といえる。
このとき、質問者が質問に答えられない相手を見下したりしてはならない。
もしそのようなことがあるとすれば、
自分の発する問いの意味や可能性を理解できていない質問者に問題がある。
(中高生の頃のわたしはその傾向が強かったので今では非常に反省している。
自分の発する言葉をキチンと操ることも出来ないくせに
言葉は延々と自分の外の人たちに向けて発せられているわけで、
それはとても無責任なことだと思う。
けれど、実際に使ってみる事でしか言葉を自在に操れるようにはならないのでなんだかジレンマ…/(^o^)\
だからこそ人には優しくしてあげたいです…)

■桃太郎はなぜ桃から生まれたのか質問されたら、どう答えようか…

もしわたしが「桃太郎はなぜ桃から生まれてきたんだよ?」と質問されたら…
わたしはなんて答えるだろうか?

  • 「なんで桃から子供が生まれてはいけないのか。桃から子供が生まれることだってあるだろう」→そういうものだよ。と納得して話を読める感覚について考えてみる姿勢/態度。
  • 「桃から生まれる」というのは桃から人間の身体が生成させるということか?
  • 「桃から生まれる」というのは育ての親が初めてその子供と出会った時のことをいうのか?(人間から産み落とされた子供があとで巨大な桃に「仕込まれ」、のちに誰かによって発見された場合)→それはそれで素敵だ。無垢な人間が自分を育ててくれる人に出会うまでのあいだ過ごしている空間が桃の中であるというのは…。
  • 「君は自分が桃から生まれた存在だったらどうする?」←質問に質問で返すというのはよくないと言われるけど質問で返したくなる質問もやはりあると思うアルね。
  • とある生命が「生まれる」というのは、いったいどの瞬間からなのだろうか…?
  • というか「桃から子供が生まれたよ〜」って話を作って聞かせるその感覚、すきだ。
  • そしてそれを「へ〜」と聞けちゃう感覚もすきだ。


この本は童話や昔話を生物学的視点から解釈してみるという趣旨で書かれているようです。
せっかくなので今度読んでみようと思いますー。

桃太郎はなぜ桃から生まれたのか? (PHP文庫)

桃太郎はなぜ桃から生まれたのか? (PHP文庫)