低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

欲しがるほどに手に入らない

斎藤環『生き延びるためのラカン』の中にメーテルリンク「青い鳥」のお話について触れているところがありましたのでメモ。

「欲望する対象はそれを求めていないときに与えられ、ひとたびそれを惜しむ気持ちが生まれるとそれは必ず失われる。」

どうしてそのようなことが起きるのか。
欲望する対象を「探すから」手に入らないのでも、
「欲しがるから」手に入らないのでもなく、
それを惜しむ気持ちが自分のなかに生まれたときに人はどうするのか。
ひとが何かを欲望するときにその周囲に生じてしまう現象があるはずです。
きっとそのような現象が欲望する対象を遠ざけるのでしょう。
それが一体どのようなものなのか探ることもまた哲学なのだろうと思いましたまる。。

生き延びるためのラカン (ちくま文庫)

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