高校生くらいのときは「嫌いなもの」が特にありませんでした。
いちいち「嫌いだー!!」と言いたくなるようなものがなかったのです。だから自分はあまりものを嫌いにならないタイプの人間なのだとぼんやりと思っていました。
しかしここ数年で嫌いなものが増えてきました。
ショックです。
嫌いなものを無視しきれない自分も悲しいです。
嫌いなものが増える一方で、それよりたくさんの「好きなもの」を見つけられるようになりました。
夢中になれるもの、好きで好きで楽しくなれるものが増えました。ものが増えたというよりも、何かを好きになれる目が養われてきたような気がします。
好きだとか嫌いだとか、どうして無視できないのでしょう。どうしていちいち声に出して誰かに見せたくなってしまうのでしょう。
好きな対象、嫌いな対象は、わたしという人間の質感を遠回しに肉付けしているからでしょうか。
わたしはいつだってわたしがどういうものなのかを誰かに教えたくてたまらないのでしょうか。
この場合の「わたし」は結局、
理想の「わたし」でしかないのですけれど…。