低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

ストーリーは作者と観客のあいだの契約…

 早寝早起きを心掛ける生活を開始しました嘉村です。

掃除洗濯ははかどれど、仕事はボンヤリしてしまってなかなか手につかず……(∩´﹏`∩)

 

スムーズなお話作りができるようになりたくて、すがるような気持ちで本を読んだりしていました。

読んだら執筆欲が昂かぶってくるかも……!という期待をもって。

クリストファー・ボグラー、デイビッド・マッケナ著「物語の法則  強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術」 の中に、ストーリーは物語の作者と観客との間にかわされる契約だとありました。

わたしが衝撃を受けたのは次の箇所です。

契約条件はこうだ。――観客は物語の作者に対し、価値あるものを与えることに同意する。つまり、金銭、そしてそれ以上に価値あるもの、時間を与えるということだ。

「物語の法則  強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術」P.51 L.3

 

観客は作品に対して時間を割いてくれる。時間を使ってくれる。それがストーリーを通じて作者と観客の間に生じる観客側の対価なのだと明示されていました。

わたしは今までそのように考えたことがなくてショックでした。

 

これまでも自分の漫画を読者さんたちが読んでくれること、わざわざ本屋さんまで足を運んで探して買ってくれること、手紙やイラストを心を込めて書いてくれたことなど、それぞれが費やしてくださった時間と手間について思いを巡らせてはありがたいことだ!嬉しい!と感謝する場面が何度もありました。

 

そんな読者さんたちの差し出してくれる時間という対価に見合うだけのストーリーを用意し続ける覚悟や姿勢が自分にあったでしょうか?

 

ありませんでした。

 

もちろん、毎話毎話をそのときの自分にできる限りの力で描きあげてきました。でも、「読者さんの一瞬一瞬の時間を吸い上げるようなストーリー作り」というものを意識してはきませんでした。

 

だからこそ数あまたあるストーリーテリングの指南書にも観客(わたしの場合は読者)を楽しませましょう!飽きさせないようにしましょう!と何度も念を推すように書かれていたんですよね。当たり前のことだけど、そこまで深くは理解できていませんでした。

 

読み始めたら止まらなくなるストーリー、何度も戻ってきたくなるようなストーリーを自在に生み出せるようになるまで、何度も描いては確認のために立ち戻って忘れないようにしたい教えに出会えました。

がんばります!ヽ(^o^)丿

 

 ↑こちらも基本の物語論が詰まっているので一緒に読むと理解が深まると思います。でも理論だけだとちょっと難しいので実際に物語を作ってはまた読み返して……を繰り返すのが大事だなあと思うこの頃です。(^^;)