低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

人の行動をしばるもの…

父と雑談中のはなし
「江戸時代末期、母親危篤の知らせを聞いた某が江戸から古河まで一晩で人力車を使って帰ったそうだ」というエピソード。ちなみに江戸で雇った人力車は途中で乗り換えたりしていないらしい。

「昔の人のバイタリティは凄いよ、今の人には無理だろう」というのが父の意見でしたが、
わたしはバイタリティの問題でないような気もします。

昔は現代ほど「あれをやっちゃだめ!」「これをやったら人生終わりだよ!!」みたいな空気に縛られていなかったのだろうと想像します。
いまもニュースでドローンの規制をどうするか毎日TVで流れておりますが、
河原でドローンを飛ばして練習している人を見つけるとつい犯罪者予備軍を疑ってしまう人もいるんだろうな〜と思ってしまう自分に虚しさを感じます。
犬の散歩をする人がいれば、ちゃんとフンを持ち帰ってるのか疑いたくなったり…
どこを散歩したって構わないはずですが、決まりがあったりマナーの呼びかけがうるさくなればなるほど人を見る目に邪な要素が加わってしまうのです。そして自分もそうやって人に疑われているんじゃないかなーとか。
こういう閉塞感(笑!)のある空気が我々の潜在能力を萎縮させているのかもしれません。案外。

「私はそれをやってもいいんだ!」という行動の自由を縛りつけない意識は
人間の能力を信じられないくらい解放してくれるんじゃないかと思います。

だからわたしは自分のまわりにいる人を縮こませるようなことはあまり言わないようにしたいなあと思うです…。