低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

あきらめない

毎日ネームを広げて読み返しているのに、毎日書き足しているのに、全然形にならない。

いい漫画になっていると思うのに、やり方は間違っていないのに、作品が進まない。

 

わたしが今どんなふうに描いているか、わたしの<何か>がどんなふうに積み上がっているか、どれだけ試しているかをこのブログに出せればいいのに、ネタバレとか憶測を恐れて出せない。

仕事ができていないかららくがきもできない。してはいけない。漫画を描けない。

 

創作活動に自分で線引をしている。

料理も掃除も洗濯も庭仕事もわたしにとっては創作(クリエイティブ)だ。これらは毎日楽しくて毎回調整と工夫を試みられているのに、漫画や絵だけが憂鬱で身体が硬直しのびのびやれない。

自分の中で創作活動を区別している。

 

これは自分の中だけの問題で、誰かに何か言われたとか、何かがわたしを邪魔しているとか一切関係ない。

わたし自身が漫画をつまらなくさせている。

漫画を難しいもののように見せ、とても重大な意味のあるものかのように感じさせている。間違いと失敗を許さないかのように存在している。

 

 

わたしは真面目に漫画に取り組んできてしまったのかもしれない。それが正しいことで、そこまでしないと漫画が描けるようにならないと思っていた。

 

物事のありかたに正解はないから、わたしの今の状態は何らかの通過点ととらえてみたらいいのだろう。

このまま漫画が完成しなかったらどうしよう……と不安もあるけれど、たぶん最後までやれる限りを尽くして面白いものを作るだろうと思う。わたしは絶対やれると思う。

ただ、このさきもずっと今のような漫画を作り出せるかはわからない。そういうと悲しいような寂しいような気持ちになるけれど、わたしは自分の才能と能力を諦めていない。

他のクリエイターたちが絶え間なく魅力的な作品を大量に生み出しているかのように見えてしまう。自分とは関係がないのに。

量産、多産を目的にしてはいけない。夢中になって作っていたら結果的にたくさんできていただけかもしれないから。

 

わたしのペースでわたしだけの漫画を作れるようになるところから始めないと。

マイペースに頑張るは、ゆっくりのんびりモノ作りすることではない。時間の長さをいうのでなくもっと、やりたいことに集中することだと思う。