低徊趣味ぶろぐ

漫画家・嘉村朗のブログ

真面目チャームについて考える

こんにちは、嘉村朗です。

 

最近、「真面目」ということについて考えています。

真面目人間の報われなさをなんとかしたいという考えは一ミリもないですが、わたしの漫画仕事において「真面目」って重要なキーワードなのかもと近頃気になってきたので考えてみました。

 

最初に断っておきたいのは、ここで考えている真面目な人というのは真性の真面目さをもっている人のことで、無理に真面目人間になろうとしたことがある人やそうしている人のことではありません。

真面目であることが目的化してしまうのは間違いです。

真面目な人に見られようとするとか、真面目さを評価してもらおうとか偽りの真面目行動で自分に負荷を掛けるなんて不健康なのでやめたほうがいいです。

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一方、生まれつき真面目な性質を抱えて生きている人というのが多少なりともいるわけです。

わたしもおそらくその一員で、「根が真面目」そのものなのです……。

 

真面目が損であること、可愛くないこと、面白くないことはわかっているのですが真面目をやめることは不可能なんですよね。

そういうものなんだから、ここはもう諦めて「真面目チャーム」を神より賜った人間として上手くやっていくしかないわけです。

 

こうなったら真面目チャームについて考察し、

真面目チャームの愛で方を提唱し、

あまねく広めるのがわたしの仕事の一つと考えてもいいかもしれません。

 

だからと言ってこの先真面目が持て囃されることはないでしょうし、わたしもそれを望んでいるわけではありません。

わたしが望んでいるのは真面目チャームを愛でる珍妙な趣味の誕生と涵養です。

(すでにある「真面目キャラ好き」とはちょっと違うと感じています。ステレオタイプな真面目さやアイコンをセットしたキャラクターを楽しんだり萌えたりしたいわけではないのです。)

 

「まじめだけど、したいんです!」のタイトルは編集さんが考えてくれたものですが、まさにこのタイトルにしてもらえて大正解です。年々、良いタイトルだなあ~と思うようになりました。

 「ちっちゃな彼女にせまった結果。」もまた違った真面目さが主軸になって進んでいる漫画だと思いますし、「真面目さ」が登場人物にとってどういう状況でどう現れてくるのかをもっと掘り下げていろいろな漫画にしていけたら面白そうだと思いました。

 

どう頑張っても真面目にしかなれない人がいる一方で、どう頑張っても真面目になれない人もいると思いますし。ちょっとだけ真面目とか、限りなく不真面目に近い真面目とかグラデーションを発見していきたいです。

 

真面目に生きると損をする (角川新書)

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